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 一般の健康診断と人間ドックはどう違うの?
 人間ドックってなんでなんなに高いの?
 若い人はドックを受けられないの?
 受けたことのない検査を詳しく知りたい 
 (バリウム・肺機能検査・便・エコー・直腸診・女性検査)
 肺ドックとか脳ドックってなに?
検査の違いについて知ろう!!
 病院での健診と集会所等でやる健診って違うの?
 どこで受けても結果は同じなの?
 健診バスで積んでくる機器も同じ性能?
健診施設の違いを知ろう!!
 そもそも健康診断って、何のためにするの?
 健康診断ってどこが管理・運営してるの?
 企業の健保組合があるのはなんで?
 健保組合ってなんでそんなにいっぱいあるの?
 健診にかかる自己負担金が増えたのですが?
健康診断のしくみを知ろう!!
もくじ
 自分の生活スタイルに合った健診とは?
 医療従事者が選ぶ良い健診とは?その一
 医療従事者が選ぶ良い健診とは?その二
 医療従事者が選ぶ良い健診とは?その三
 医療従事者が選ぶ良い健診とは?その四
 健康診断に暗雲が漂ってるの?
 健康診断はなくなっちゃうの?
 実際健診をやっている人ってどんな人?
 毎回(毎年)先生とか人が違うんですけど?
 うちの健保は健診場所がよく変わるんだけど?
 同じ人がいろいろ検査してるけど、いいの?
 検査する人の笑顔ってあまり見ないような?
良い健診の選び方を知ろう!!
医療従事者が選ぶ良い健診とは? その四
〜その四〜検査結果の記録は残っているか

これは健診会社や病院、健保、自分の会社それぞれに共通していえることですが、最低2年前くらいまでの検査データがきちんと保管されているのが絶対条件です。病気の場合もそうですが、診療を進めるにあたって一番重要なことは、(前回同じ検査をしていたら)前回との比較です。
ですからもし今回何か異常が見つかった場合、前回はどうだったのかという比較ができることは、その後の検査の指針にもなりますし、誤診だった可能性も分かります。そうゆうデータをちゃんと管理できているところ(自分の会社も含めて)が望ましいです。
しかしながら、やはり自分の体は自分で管理する方が一番信頼できます。健保や会社を通じて受け取った検査結果は自らがちゃんと管理することがもっとも必要なことでしょう。
医療従事者が選ぶ良い健診とは? その三
〜その三〜健診会場内が殺伐としていないか

殺伐としているとはどいうゆうことかというと、検査をする医療従事者がピリピリしている状態をいいます。原因はその日に受ける受診者を詰め込みすぎていることで起こります。
例えば午前中に100人以上も検査しなければならない場合は、猛スピードで検査が進められます。そうなった場合、いくら接遇ができていても、説明が上手であってもやっぱり単調に成らざるえないのです。
なぜ詰め込むのかは、健診会社のつごうであったり、受診する側の会社のつごうであったりしますが、嫌な思いをするのは受診者本人です。
医療従事者が選ぶ良い健診とは? その二
〜その二〜待ち時間が少ないか?

ほとんどの場合、検査時間が○○時〜○○時と決められているので、一極集中してしまうのが当たり前なのですが、それでも待ち時間の多そうな検査で、あまり待たないようなところはいろいろ優れています。
(1)医療従事者の技術が優れている
受診者にもいろんなタイプ(性格)がいますから、そのタイプに合った対応で検査を進められることは非常に重要です。また多くの経験を積んできた医療従事者ほど健診では検査時間がめちゃめちゃ早いです。特に健診では、正常な受診者が多いため、それを何百、何千と見ていると、異常な部分は逆に目立って見えてしまうのです。そのため「正常」「異常」の判断が早いため検査内容に多少の違いができても確実に早く検査を進めることができます。
(2)受診者の流れを把握できている
健診で待ち時間の多い検査はほぼ決まっています。その検査ではどうしても検査の都合上時間がかかってしまうのはしょうがありません。しかし受診者全員が同じ順番に検査を受けていたら、停滞してしまう検査の先になかなか進めません。そこで検査の流れを数人ずつずらして行うのです。大抵の場合、心電図やレントゲンは項目的に最後になりやすいのですが、例えば100人いたら、20人を心電図やレントゲンから受けてもらいます。そうすることによって、大渋滞が軽減できます。でだしからこうゆう配慮がされているところは受診者思いです。ただし、この場合でも必ず停滞しないとは限りません。その情況を把握し、流れを変える判断力、流れが変わったことによる検査漏れがないかの確認能力が必要になります。
(3)説明がわかりやすい
医療の世界ではコレを抜きに語れないのですが、健診となると話は少し違ってきます。つまり、短時間で大人数を検査しなくてはいけないのですから、受診者に何をしてもらうのか、次の検査をするため何処に行くのか、等を理解しやすいよう説明できなければ受診者自身を迷わせ、全体的な検査時間を長引かせてしまいます。
医療従事者が選ぶ良い健診とは? その一
私もいろんな現場で健診を行っていますので、病院・健診センター・健診会社の検査スタイルをいろいろ見て来ました。そこで「検査を行う側の医療従事者が健診場所を選ぶなら?」を理由も含めて詳しく解説します。

〜その一〜ことば遣いは丁寧か?
いっけん当たり前のようにみえて、実は医療(健診)現場では違うんです。医療とはサービス業だと常日頃からこのサイトでも言ってますが、健常者が受ける健診でさえそれを認識していない医療従事者もいます。健診やドックを受ける受診者は、病院と違って必要があって受けているわけではありません。健康なのに受けに来てくださるお客様なのです。そんなお客様に「〜様」と呼べない、敬語または丁寧語を使えないところは論外ですし、お客様にそのような態度で臨んでいないところは、必ず検査内容に表れてきます。受ける側のマナーも大事ですが、それ以上に検査する側の態度は検査する姿勢をも左右します。
自分の生活スタイルに合った健診とは?
現在の日本の健診は、義務的に受けさせられ、特に20代の人には「めんどくさい」と思う行事の一つでしょう。はっきり言えば20代の健診は必要ないと私も思います。だって「異常なし」が当たり前なんですから。病気になったら医者にかかればいいんです。
健診が本当に必要になってくるのは30代になってからです。30代からは少しずつ、「こんなことは、20代にはなかった」と思う現象が出現してきます。このサイトのテーマでもありますが、30代になったら自分の体に関心を持ちましょう。
さて、健康診断を受けるにあたって一番大切なことは、「自分の知りたい情報が、分かりやすく得られるか」だと思います。とはいえ、健保組合によっては、健診場所を選べず、その会社に割り振られた病院・健診会社で受けさせられるというのが現状だと思います。
そして出た結果をみてこう思うのです・・・
「結構酒飲んでるのに、肝機能は正常だな・・俺ってスゴイ!」とか
「生活習慣乱れてるのに、血液検査異常なしか〜」
なんて・・・
20代ならいざしらず、30代過ぎてまで1回の健診結果で納得してしまうのは、大変危険です。「無理してる」と本人が感じているのに、体が反応しないことの方が重大です。
健康診断はなくなっちゃうの?
国が国民の健康を維持する義務がある以上、すべてなくなることは絶対?ないでしょう。また、健康を強く意識する日本国民ですから、本来自費でやってきた検査をなくす健診センターや健診会社はありえません。
(そんなことしたら倒産です)
ただし今後、健保が行う一般健診の検査項目について「一部削減」「検査年齢引き上げ」「検査基準値見直し」はすでに検討されています。

【検査年齢引き上げ案】
これは一般健診や人間ドックで必ず行われる、胸部レントゲン検査がこの案の対象になっています。現在日本国民は、年1回胸部レントゲン検査を受けることになっていますが、統計的に35歳以下の肺疾患は少ないことから、健診による胸部レントゲンの義務を35歳くらい以上からにしようという案です。
そもそも日本の胸部レントゲン検査は、戦後まもない頃に発生した結核の大流行がきっかけで義務化されるようになったと言われています。国の運命を揺るがした感染症であるため、それを未然に防ごうという根強い思いが今なお習慣として残ってしまったのでしょう。

【検査基準見直し案】
これはつい最近(2006年11月)ニュースになりました。日本糖尿病学会が診断基準見直しを検討する委員会を設置したそうです。現在は空腹時血糖値(血液1デシリットル当たりのブドウ糖量)60〜110mg/dLを基準としていますが、世界的には上限基準を100mg/dLとしていることから、上限基準値を100mg/dLに引き下げる方針で検討に入っているそうです。
健康診断の今後を知ろう!!
健診の医療従事者を知ろう!!
健康診断に暗雲が漂ってるの?
科学技術の発展に伴って、医療技術も日進月歩で発展しています。そのため、今まで検査できなかった分野が検査可能になる反面、今まで健診・ドックで検査してきた項目が「必要な検査なのか?」「基準値は正しいのか?」について問われ始めています。それに同調したかのように、国の医療費圧迫による「健康診断一部削減案」も出始めています。それを後押しするかのような発表が厚生労働省から今年ありました。それがこれです。

【労働安全衛生法,老人保健法,健康保険法などの健康診断は有効でない項目が多い / 厚生労働省研究班まとめ】

この中で聖路加国際病院長・福井次矢氏を班長とする研究チームは実際の健診検査で「実施を勧める証拠はない」として以下の項目をあげています。
一般問診 明確な証拠はない
聴力・視力 勧めるだけの証拠はない
身体診察・聴診 明確な証拠はない
心電図 心筋梗塞の予防に役立つ証拠はない
胸部X線 肺がん発見に有効との証拠なし
コレステロール検査 コレステロール低下には役立つが心筋梗塞予防に有効との証拠なし
肝機能検査 実施の有無を再検討すべき
尿検査 糖尿病発見には不適切、腎不全などを防ぐ証拠なし
血球数など 有効性を示す十分な証拠はない
特筆すべきは、日本人の成人男性に(かなり)関心の高い肝機能の検査です。この検査で分かるのは脂肪肝の有無ですが、それ自身は放置していても大事にはいたらなく、それよりも肝炎ウイルス検査に重点をおくべきだと研究チームは述べています。実際アメリカ・イギリス・カナダでは、GOTなどの検査は健診でおこなっていません。
この発表を知ってか知らずか、ちまたでは、「健康診断・人間ドックを過信するな」系の雑誌や本が出始め、国民自身が本当の情報を求めて振り回されている感じがします。
検査する人の笑顔ってあまり見ないような?
健康診断といえども「医療行為」であるため、当然検査中は集中しています。そのため無愛想に見えるかもしれません。
しかし正直に言えば、健康診断は「流れ作業」と思っている医療従事者は少なくないかもしれません。外来診療患者とくらべて、基本的に健康な人を検査し、その検査内容も個人差がありませんから、「どのように正確・確実に数をこなすか」に思いが偏ってしまうのもしょうがないことかもしれません。そのため無愛想に見えることが多々?あります。1日に100〜200人を検査していたら、顔さえ覚えていないでしょう。
(同業者の方ごめんなさい・・・・本音を書いてしまいました。)
健診にかかる自己負担金が増えたのですが?
日本の医療費が切迫していることはご存知だと思いますが、健康組合の財政も切迫しています。
              けんぽれんホームページ(医療保険制度の危機)より抜粋
上の図を見ていただければ分かりますが、1996年頃から、健保組合の財政は赤字なのがみてとれます。赤字幅は2002年がピークで、2003から景気が戻ったせいか黒字にはなっていますが、2008年以降は厳しい予測がされています。そのため、保険者の負担金が一部値上げ、保険者家族の検査料も値上げされた健保組合も少なくありません。
特に日本の場合は少子高齢化はさけられない情況ですので、今後負担金の値上げが保険者の懐を圧迫することは間違いないでしょう。
同じ人がいろいろ検査してるけど、いいの?
基本的には上記4職種がそろっていれば検査ができます。究極、医師一人でも可能です。
例えば、私が知る健診バスでの最小人数は、運転手を含めた4人です。この場合・・
医師:問診、内科診察
看護師:採血、血圧、心電図、視力、聴力
放射線技師:胸部レントゲン(バリュウム検査含む)
運転手:身長、体重(自己報告可なので、誰がやっても良い)
5人くらいまででしたら、このメンバーでもこなせるのです。
人数が多い健診センターやバス健診では、複数掛け持ちで検査をすることはありませんが、資格によって出来る検査が法律で決まっています。
検査技師:採血(一人20mlまで)・エコー・MRI(全て医師の指示必要)
放射線技師:X線検査全般・MRI・エコー(全て医師の指示必要)
看護師:X線・MRI以外検査全般(医師の指示必要)
医師:検査全般可
このように検査できる範囲が重複しているため、一般には採血は看護師がしているものと思っていますが、実際は検査技師がやっている場合も多いのです。また、検査技師がやっていると思われがちなエコーの検査も放射線技師がやっている場合もあるのです。

逆に範囲を越えて検査が行われているものもあります。それがバリウムの検査です。放射線技師はX線を照射する行為は認められていますが(医師の指示の元)、技師がバリウムを飲ませる行為は法的に認められていません。人間の体内に器具や薬液を注射・挿入・投与する行為は医師にしか認められていません。そのため大学病院や自治体系列の総合病院では、医師がバリウムの投与から撮影まで行っています。看護師による静脈注射に至っては、ここ最近になって許可されたくらいです。
しかしこの件で医師法違反になったケースはありません。おそらく、投与しても緊急で命の危険がないものに関しては、「医師の管理下の元で行われている」というのが、日本医療の暗黙のルールなっているのでしょう。
うちの健保は健診場所がよく変わるんだけど?
健診の世界は営業の世界と同じで、受診者の奪い合いです。
また日本の高齢化が進み労働力が減ってくると、受診者の数も減ります(老人保健による自治体の健診に移行するので、相対的には変わらないのかもしれませんが?)。受診者は減っても1日(1回)にかける人件費は変わらないので、当然健診会社の利益が減り、倒産に追い込まれるケースがあります。
実際2003年までは、企業のリストラ増加が原因で受診者の数が激減し、倒産した健診会社も少なくありません。
毎回(毎年)先生とか人が違うんですけど?
正直医療業界の離職率は高いです。年中看護師を募集している病院って結構見ませんか?それと平行して健診に携わる医療従事者の離職率も高いのです。そのため固定の施設内(健診センターなど)でも看護師や技師が毎回違うということがあります。
それともう一つの理由は、健診に携わる医療従事者はアルバイトがかなりの割合を占めるということです。特に健診バスで出張してくれる健診会社では、医師も含め半数以上がアルバイトで成り立っています。なぜかというと、健診にはシーズン(繁忙期・閑散期)があるからです。例えば、3月くらいから7月くらいまでは、新入社員の入社時健診と企業や学校などの一般健診が重なり大変忙しく、猫の手も借りたいほどですが、7月後半から8月一杯は会社が夏休みに入るため、会社自体に人がいません。そこでお盆時は閑散期になります。
9月から10月後半くらいは、前期に健診を受けなかった会社と前期に受けて精密検査を言われた方の健診が重なります。しかし12月から1月は正月(帰省)シーズンに入りますのでやっぱり閑散期になります。
というわけで、忙しいときには沢山アルバイトを雇い、閑散期には社員の医療従事者のみで健診をこなすスタイルが健診会社の一般的な常識になっています。
ですから、去年検査してくれた人に会えるのは奇跡に近い確率です。
実際健診をやってる人ってどんな人?
病院内にはいろんな職種・資格を持った人が混在してしています。
医師・看護師・薬剤師・介護師・臨床検査技師・診療放射線技師・臨床工学士・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・臨床心理士などなど事務系の人達も含め沢山の職種・資格者によって構成されています。
では、健診で活躍してくれるのはどの職種でしょう?
答えは、医師・看護師・臨床検査技師・診療放射線技師の4職種です。もちろん結果の送付や受付等、事務の方々も必要ですが、実際検査に携わる職種はほぼこの4職種で成り立っています。では検査の役割についてご説明しましょう。
医師:問診・結果説明・直腸診・内視鏡など
看護師:採血・栄養指導・(身体計測・視力・聴力・心電図)
臨床検査技師:血液検査・エコー・(身体計測・視力・聴力・心電図)
診療放射線技師:胸部レントゲン・バリウム検査
:( )の部分は相互協力でやっている場合が多い
このように医療従事者の職種がこんなにいるなかで、健診に携わっているのはこの4職種だけなのです。
極端な話をすれば、医師一人いればすべてOKなのです。医師は医療に関わるすべての検査を法的に許可されていますから。受診者の少ない、診療所ではレントゲンやエコーを先生一人でやっているところもあります。しかし1日に200人も診なければいけない場合はとても一人では無理です。また、法的に許可されていることと、検査技術が優れていることとは違います。最近では医療は分業され、各専門職の方が検査技術が優れていたりします。そのため、健診ではこの4職種がなくてはならないのです。健診の精鋭メンバーといえるでしょう。
肺ドックとか脳ドックってなに?
最近では目的別に一部位を集中的に検査するドックが売りになっているようです。それが肺ドックと脳ドックです。
肺ドック
ここ数年男性のガン死亡率のトップが胃がんから肺がんになり(厚生労働省発表)、肺に重点をおいたドックが新しく生まれました。
(検査項目例)
・胸部レントゲン(一般的な胸のレントゲンです。)
・胸部CT検査(ヘリカル&マルチスライスを使用するのが一般的。)
・肺機能検査(肺活量の検査です。詳しくは上記記載)
・喀痰細胞診(いわゆる痰(たん)を採取して検査します。)
・腫瘍マーカー(腫瘍があるときに出る物質を血液中から調べます。)
・身体計測・内科診察・採血・血圧 等
人間ドックと併用して行っている施設も多いようですが、単独で受けると約2〜3万円かかるのが一般的のようです。


脳ドック
これは核磁気共鳴画断層撮影(MRI)の技術的進歩に
よって生まれたドックと言っても過言ではないドックです。
脳や脳に関係する血管を集中的に検査します。
(検査項目例)
・MRI検査(CTと同じ断層撮影ですが、縦横自由に断層撮影できます。)
・MRA検査(MRIを利用した、血管造影撮影です。)
・頚動脈エコー検査(脳に直結する首にある血管の検査です。)
・眼底検査(眼の奥の血管を撮影し、動脈硬化など関連を調べます。)
・身体計測・内科診察・採血・血圧 等
脳全体や脳の血管の状態が分かりますので、脳卒中や脳梗塞、くも膜下出血などの早期予防には適しています。主に40〜50代以降の方には最適です。料金は施設によりますが、単独で5万円前後が主流です。

このほか最新の癌検査としてPET検査も話題になっています。このPET(ペット)とは、ポジトロン・エミッション・トモグラフィの略で日本語では陽電子放射断層撮影と言います。この検査はCTやMRIのように体外から検査する方式とは違います。体内に特定のブドウ糖を注射することにより、この物質がガン細胞に集まります。これから発する信号をキャッチしてガンがどこにあるのかを診断します。しかし2006年3月に読売新聞夕刊にて「PET健診、がんの85%見落とし・・がんセンター調査」の記事が出てから、一時騒然となりました。

読売新聞夕刊2006/3/3 医療と介護
同年3/14に国立がんセンターのHPにてこの記事に関する見解が掲載され、読売新聞側も「解釈・説明がが不十分だった」と認めたそうです。
しかしながら検査を選ぶのは受ける本人ですので、情報を自分で集め、理解したうえで検査を選ぶことには変わりありません。

ヘリカルCT・マルチスライスCTについて
ヘリカルCTという呼び名は、東芝が開発したスパイラルCTの名前です。実際、らせん状に回転しながら撮影していくCTのことをすべてスパイラルCTと呼びます。ただヘリカルという言葉が定着してしまったため、どこのメーカーの商品もヘリカルCTと呼ぶようになったのです。
初期のヘリカルCTはX線を放射する装置1機と検出器1機が対となり、それが高速回転しながらベッドも定速移動し撮影していくため、結果的にらせん状に撮影され、従来の1スライスごとに移動する旧タイプに比べ撮影時間が格段に短縮されました。ヘリカルCTで腹部を撮影すると約10秒前後かかり、撮影中は息を止めていなければいけません。
ところがマルチスライスCTはX線を放射する装置は1機ですが、扇状に放射され、体軸方向に複数個(主流は64列で32mm幅)の検出器でデータを読み取るため一回転で4スライス同時に撮影することができます。そのため頭の先から足の先までを十数秒で撮影することが可能になり、一回の息止め時間も短縮され受診者の負担が減りました。
受けたことのない検査を詳しく知りたい
それでは一般健診でやらない項目をそれぞれ紹介しましょう。
上部消化管検査
これはよく言われるバリウムのX線検査です。
主に食道・胃・十二指腸の内部を、バリウムを付着させることによりX線で見ることができます。胃潰瘍や胃がん、食道がん、ポリープ等の存在を確認することができます。小さな病変を調べる検査なので、特に食物が胃に残っていることは検査の意味がなくなってしまいます。ですから、検査前日の夕飯の量を制限し、朝ごはんを食べないで検査しなければなりません。
バリウム自体は飲むヨーグルトっぽく飲みやすいですが、その前に飲まなければならない、発泡剤という粉の薬が苦しいかも?しれません。

肺機能検査
昔でいうところの肺活量の検査です。あの「大きく吸ってぇぇぇ〜〜いっきに吐いてぇぇぇぇ!!!」ってあれです。
年齢や性別から一定量以上の肺活量かどうかを%値で検査します。
一般的には80%が基準となっていますが、それ以下だと肺の膨らみが足りないことになり、間質性肺炎や肺線維症が疑われます。
便
主に便に混じった血液の存在を調べます。小学校や中学校でやりませんでしたか?うんちをした後に容器についてる小さいスプーンみたいので、うんちを採取する、あれです。
血液が混じっていた場合は「便潜血陽性」と判断され、大腸の検査をしなければなりません。大腸ポリープや大腸がんの疑いがあるからです。
陽性の場合は、大腸ファイバーや大腸バリウム(注腸)の再検査をするのが一般的です。
腹部超音波
最近ではこの呼び方はされず、エコー検査と言われるのが一般的です。
肝臓・胆のう・すい臓・腎臓の検査をします。
プローブと呼ばれる検査機にゼリーを塗り直接腹部にプローブをこすりつけ検査します。不親切な施設だとゼリーが冷たくて「冷っ!」とします。ゼリー逆さにを立ててあるスタンドはゼリーを出しやすくするためだけじゃなく、ゼリーを人肌に暖める役割もしているのです。(余談)
エコー検査は特別な波長の音波を出して、その跳ね返ってきた音波をキャッチして映像にするため人体に影響を及ぼしません。産婦人科で用いられるのはそのためです。
この検査では、各臓器の腫瘍や石灰化、胆石、血管の異常、機能や形態的異常を検査できます。
この検査で異常が見つかった場合は、腹部CTの検査に移行するのが一般的です。
直腸診
これは医師により、直接おしりの穴から指を入れて検査する触診です。
大腸から直腸にかけて一番異常が出やすいのが直腸だからです。例えば便潜血陽性の場合、直接血液を見ることによって直腸内の出血なのか、もっと奥の大腸内の出血なのか、痔による出血なのかが分かります。仮に血液が鮮やかな鮮血の場合は痔か直腸からの出血を疑います。
その他、男性の場合は前立腺肥大も確認できます。
女性健診
女性のみの検査です。
女性器内部の診察です。最近の健診センターでは、女性健診の医師を女医しか扱わなくなったところも多く、女性の方にも安心して受けられるようになりました。
女性器より器具を挿入し、子宮頸部・体部の診察や細胞を取って顕微鏡で調べたりします。
また最近では、乳房診も盛んに行われるようになりましたが、以前にように触診だけでは検査精度が落ちることが統計から確認できたため、乳房のX線検査も併用する施設が増えてきました。
若い人はドックを受けられないの?
 そんなことはありません。受けることは可能です。
しかし、一般健診を受けるのか人間ドックを受けるのかは、各健保組合によって決められています。主に年齢で分かれていますが、「この年齢以上はこの項目を受けた方が良い」という指針のもとに各健保組合が決めているのが現状です。
例えば20代の人が健診時にバリウムの検査をする場合は、追加料金を健保組合に支払えば可能だと思います。しかし、一定の年齢を越えると出やすい病変はやはり年齢に比例して増加します。ですから、健康診断時にやってしまおうと考えず、「痛い」「苦しい」などの症状が出てから病院で検査しても良いと思います。その方が保険適用で料金もお徳です。
一般の健康診断と人間ドックはどう違うの?
 一般の健康診断は国の定めた基準の項目のみとなります。しかし人間ドックは各健診所によって一般健康診断以上にメニューは豊富です。
一般健康診断項目
身体計測・血圧・眼・聴力・心電図・尿検査・血液検査・胸部レントゲン・内科診察
人間ドック:宿泊タイプの項目
身体計測・血圧・眼・聴力・心電図・尿検査・血液検査・胸部レントゲン・
上部消化管レントゲン・肺機能検査・便・腹部超音波・直腸診・女性検査・内科診察

このように人間ドックでは、一般健診項目に加え上記太字で書かれた項目も含まれ、より健診内容が濃密になります。
(日本人間ドック学会HPを参考)
健診バスで積んでくる機器も同じ性能?
聴力や眼の機器は医療機関に普通にあるものです。
精密機器として、心電図計もコンパクト設計されたものです。
あと大きな違いといえば、レントゲン機器ではないでしょうか?
昔は病院や健診センターでも使われ、健診バスで現在でも主に使われているのが、小さなレントゲンフィルムです。通常病院などで、胸のレントゲンを撮ると35cm×35cmフィルムで撮影されますが、健診バスなどで撮影される胸や胃のレントゲンは、ほとんど10cm×10cmサイズの小さなレントゲンフィルムで撮影されています。この小さなフィルムの利点は、集団撮影のように大人数を撮影するときには便利で、ロール状になったフィルム1本で、約300人くらいの胸の写真が撮れます。昔のカメラの写真フィルムを想像していただければわかりやすいと思います。大人数が撮れ、小型で管理しやすいことから健診バスでは胸や胃のレントゲン撮影によく使用されます。
しかしこのフィルムの欠点は、35×35cmフィルムよりX線を多めに使用しなければいけないことと、小さいということです。小さいことにより使用・管理はしやすいのですが、医師が判定するときに拡大して見ても、やはり小さな病変は見逃しやすくなることです。疑わしい場合は結局35×35cmフィルムで再検査しなければなりません。
それから、35×35cmのフィルムで撮影する機械を直接撮影機(以下、直接)、10×10cmのフィルムで撮影する機械を間接撮影機(以下、間接)と言いますが、間接の方がX線を多く使用しなければなりません。つまり同じ胸の写真を撮るにしても、直接より間接の方が(ちょっと)被爆量は多いということです。
残念ながら現在の健診バスによる一般健診では、被爆量や判定度合いよりも、コストと管理に重点が置かれています。健診料金が少し安くなるので、間接でという会社も少なくないそうです。
健診表が配られたら、レントゲンの欄の間接か直接かのチェックを確認してみるのも面白いかもしれませんよ。
:間接で撮影したことによる被爆で、体に異常が出たという報告は現時点で存在しません。)
どこで受けても結果は同じなの?
 結論で言えば、どこで受けてもでもそれほど差はありません。
なぜなら、どの場合でも使っている道具や機器は、ほぼ同じだからです。確かに、健診センターなどはより高価な機器を使っていますが、小数点以下が計れる程度ですからあまり気にするほどではないと思います。
人間ドックってなんであんなに高いの?
 一般健診で一人7000〜10000円ほどなのに、人間ドックでは4〜5万円くらいします。なんでこんなに高いんでしょう?
その答えは
自費だからです。
基本的に健康保険の保険料とは、診療や治療を対象にしています。つまり病気でも怪我でもない人が、保険医療を利用しようとすると自費になります。だから健康診断や人間ドックを受ける人は、病気や怪我で利用するわけではないので自費扱いになるのです。
さらに人間ドックの場合、検査項目が増え、高度な機器や技術を必要とする検査を行いますので、一般健診より数倍高い料金になってしまうわけです。
料金設定の基本は、保険診療を行ったときの点数(1点は10円)の合計で決まりますが、施設によって検査項目の違いやオリジナルのサービスも付加されるので施設によって料金が異なるのです。
病院の健診と集会所でやる健診って違うの?
健康診断を実施する会場として次のように分類されます。
@
病院内の健診施設
A
診療所にて行われる健康診断
B
健康診断をメインにした健診センター
C
各都道府県の集会所等や学校など健診対象者を集めて行われる健診(健診バスで会場まで出張するケース)

健康診断を実施場所別に分けるとこの4種類になります。
では何か違うのか見ていきましょう。
@とAでは本来の病院・医院の機能が備わっています。当然診療するにあたって、医療従事者、検査用品・機器等が揃っているため、通常の診療の他に健診を行う医療機関は少なくありません。
ただし、別枠として健診業務を行っている病院でしたら、健診だけを中心に行ってくれるため、待ち時間が少なくて済みますが、診療の片手間に健診も行っている病院などは結構またされることも多いです。その点でいえば、診療所で行う健診の方がよりスムーズに行えるかもしれません。なんと言っても地元の強みがあります。
Bは人間ドックをメインとして行う施設がほとんどです。病院・医院とは逆に健診をメインで行っているので、健診なれしています。外来診療のほうが、片手間かも・・。ただし健診をメインで行っているため、健診やドックにかかる料金は高めに設定されているのが通常です。
Cは出張を請け負った健診会社等が、健診道具や機器等をバスに積んで、学校や市町村の集会所まできてくれます。学校の集団健診や地方自治体の市民健診、中小企業(まれに大手)の一般健康診断では、このケースがかなりの割合をしめます。
健保組合ってなんでそんなにいっぱいあるの?
 それは小集団の方が、効率的・効果的運営が可能だからです。
一番重要な部分は、被保険者の就労状態によって被保険者やその家族の、健康に関わる部分が違うということです。
例えば、医業健保に属する給食担当職員の健康診断を例にすると、一般の健診に加え検便の検査も追加されます。これは食中毒を起こす菌を持っていないかチェックするためです。
レントゲンを扱う放射線技師は年2回の血液検査が義務となっています。これは、X線を浴びる可能性がある放射線技師の体の変化が、血液によって判別できるからです。
しかし事務系のお仕事の人に食中毒や放射線は関係ないですよね?海のものと山のものを一緒にやっては効率が悪いと思いませんか?。ですから、就労状態によって細分化して健保組合を設立したほうが効率的であり、被保険者へのサービスもしやすいというわけです。
企業の健保組合があるのはなんで?
 主に地方公共団体が運営していますから、国(地方自治体)が運営・管理しているものと誰しも思います。ところがソニー健保やトヨタ自動車健保など、一企業が運営している健保組合が存在します。
労働者を対象とした健保組合の設立には次の決まりごとがあります。
@
社員700人以上の会社であれば、国の認可を受けて単独で設立することができる。
A
3000人以上であれば、同業種の複数の会社が共同で設立(総合健康保険組合)することもできる。
(けんぽれんホームページより抜粋)

この決まりごとに基づいて健保組合は設立されます。ですから、ソニーやトヨタなどの大会社は@に基づき健保組合が設立されているわけです。
そして医業、船舶、印刷、産業機械、旅行業などの健保組合はAに基づき、同業種の会社が共同で設立できるのです。
健康診断ってどこが管理・運営してるの?
 主に地方公共団体が運営しています。いわゆる地方自治体ですね。これに関わるのが、国民健康保険や老人保健で、この地方公共団体より年1回以上の健康診断をするように通知がきます。組合に加盟していない自営業者などはこちらに属します。
そして労働者のほとんどは、労働安全衛生法で定める年1回以上の健康診断を、各団体ごとに構成される健康保険組合を通して健康診断を受けます。
そもそも健康診断って、何のためにするの?
 それは、日本国国民の義務であり権利だからです。
これは国民健康保険法で定められています。まず、重要なのは日本国民は(国民)健康保険に加入する義務があり、健康保険を運営する組合が、加入者の健康保持・増進に努めなければならないのです。
つまりですね、健康保険料を給料から抜き取られたぶんだけ、健康診断にもっと意識して臨まなければいけないんですよ。
なんたって自分で払って健康診断してるんですから!

皆さんは年1回健康診断を受けてますよね?どちらで受けてますか?
区や市の健診ですか?診療所ですか?大学病院ですか?はたまた専門の健診センターですか?
「まな板の鯉」のようになすがままに受けてませんか?

健康診断や人間ドックの裏側を知ったら、楽しく受けられるかもしれませんよ。さぁ、健康診断の舞台裏を覗いてみましょう。
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